「好きなことに挑戦しよう」を応援するLIBERTY FORCEとコラボするワケ。 LIBERTY FORCE 照屋健太郎 × 金月そば店主

金月そばは、沖縄そばを通してお客様に「あちゃーぬくんち(明日への力)」を届けたい想いがあります。

若い人たちの未来を応援するブランド、LIBERTY FORCEとコラボすることで、金月そばが目指す未来をより明確にし、これからも変わらず、「食」や「小麦」の大切さを発信していきたいと思います。

そこで、2022年秋、沖縄県内に4店舗目をオープンする金月そばは、LIBERTY FORCEとコラボすることに。

"CHASE YOUR BRIGHT FUTURE"心にカギをかけず好きなことに挑戦しよう。LIBERTY FORCEは、見た人、着た人に勇気を届けたい。沖縄発のメッセージブランドです。

国際通りで4店舗、ライカムで2店舗のセレクトショップを経営しながら、あらゆるジャンルとのコラボで若い人を応援している照屋健太郎さんに、オープン前の夏の日、話を聞きました。

若い人のクリエイティブな発想の熱量を応援する。

店主
タキロー

「『コラボしたい』って人づてに聞きましたけど、なんでうちなんですか?」というところから、前にふたりで3時間くらい話をしたんですよね。
「金月そば」は、無化調だったり、地産地消だったり、身体や社会にいいことをやりたいという発想はあったものの、言語化されてなかった。文章にしようとしても山盛りになっちゃう…。
でも自分たちが何を届けているかというと、食べることって「明日への力」だということが、健さんとセッションすることで生まれてきたんですよね。「よし、こういう言語化できた言葉があって、向き合えるメッセージが生まれ、コラボしましょう」となった。
数日後に「あちゃーぬくんち(明日への力)」っていうウチナーグチに変換したんですけど。
客席側は健さんプロデュースでディスプレイするとか(対談時はディスプレイ前)、県内の若者アーティストの作品を展示販売できるスペースにしましょうとか、コラボする事案が少しずつ膨らんでいるところです。

健太郎さん

まずは、LIBERTY FORCEがなにかを説明したほうがいいかなと思うんです。
首里高校を卒業して、大学で東京へ行って、洋服の会社に入って、15年間、ファッションブランドのPRとかコラボレーションをしてたんです。
昔から、子どもが生まれたら沖縄で育てたいなぁと思ってたので、生まれる半年前に、36歳で沖縄に帰ってきた。その時、東京と同じくらいクリエイティブな才能を持ってる子が多い島だなとびっくりしたんですよ。歌だけじゃなくて、ダンスとか、写真とか、アートとか、工芸もそうですし。
でも卒業したらどうするの?って聞くと「親は好きなことは学生までで、卒業したら公務員になりなさい」と言われてる…。

店主
タキロー

僕がまさしくそうだった。東京の私立高校の説明会に行って、これだけお金がかかりますって言われて、やめました…。別の都立高校を選んで、そこを中退してから、ずっと仕事をしてるんです。
一流のアーティストの話と並行して考えられるわけではないけど、LIBERTY FORCEが若い人のクリエイティブな発想の熱量を応援していることに、僕はビンビンときて…。

エネルギーになる言葉が近くにあると、救われる。

健太郎さん

海外を回ってアートやおもちゃを集めているんですが、沖縄に帰ってきて、コレクションを沖縄の人たちに見てもらう機会もおもしろいかなと思って、コザ(沖縄市)で10日間展示をやったんです。

2500人くらい来てくれて。その時のタイトルが、LIBERTY FORCE。
LIBERTYは、自分で勝ち取った自由。「みんなも好きなことに挑戦しよう」というメッセージをこめたコレクションですと話してたら、特に学生や進路に迷っている子たちから「勇気をもらいました!」「がんばります!」みたいに言われて、逆に違和感だったんですよ。何でこんなに響くのかって。
で、1年くらい変な感じが残っていて、いろんな人と話してると、沖縄って、就職しないで好きなことに没頭してると「大丈夫か?」と言われる雰囲気があると聞いて。
最初はコレクション展でしたけど、好きなことをやるって大事だよということをテーマとして発信していこうと思って、41歳の時、LIBERTYFORCEをはじめたんです。

ロゴをつくって広めていくことは得意だと思っていたので、まずロゴをつくって。(LIBERTY FORCEを知らない人に説明するとき)、わかりやすいからブランドって言うんですけど、つまりはLIBERTY FORCEという考えを伝える活動です。
洋服とか、靴下とかをつくっているんですけど、ファッションブランドじゃなくて、服を通じて、工芸を通して、沖縄そばを通して、ジャンルを問わず、いろんなものを通して、「何これかわいい!」とか、「おいしい!」とか、感動した先にLIBERTY FORCEっていう吹き出しのロゴがある。そっとメッセージに気づいてほしい。

店主
タキロー

親の期待を振り払うことって勇気のいることだし、子どもを支える親も身を削りながら働いている。
この3〜4年で、那覇の店舗で30人くらいの方々を雇用させてもらいました。そこで気づいたんです。
たとえば、「空いてる時間にどうにか5万円つくって、とにかく家を支えたい」とか、余裕のない人たちが那覇にはいっぱいいる。心が削がれている生活者を見てきたんですよ。
親が子どもに好きなことをさせてあげられない。地域に「助けて」っていう場所もない。そういう時、エネルギーになる言葉が近くにあると、救われると気づいたんです。金月そばが、お客さんにどんな本質を販売しているのかを言葉で表現する必要性があると。

健太郎さん

LIBERTY FORCEが自由の力、金月そばが明日への力。

LIBERTY FORCEは、若い人たちの未来を応援する活動として、金月そばを応援したいと思って、いっしょにコラボさせてもらう。
食の分野でも同じように考えている人がいるよというのを広げていきたいのがまずひとつ。それをファッションに落とし込みたいと思っています。そして、ファッション特有の視覚からいっしょにメッセージを発信したい。
たとえば、ヤンバルクイナが沖縄そばを食べてるグラフィックを印刷したTシャツを販売して、その売上の一部を沖縄県麦生産組合に寄付できたらいいなと思っています。
沖縄そばのあり方を進化させるだけでなく、沖縄の"麦"の未来、沖縄の食文化の未来=若い人たちの未来を、より良くするために、『食』を通して頑張っている沖縄県麦生産組合の活動に、LIBERTY FORCEとしても共感していますし、応援していきたいと思っているから。

沖縄ってゆいまーる(助け合い)って
言うけど、ゆいまーるじゃない。

LIBERTY FORCEのお客さんの世代は?

健太郎さん

けっこう幅広いですね。10代から40、50代まで。この前、具志堅用高さんとコラボしたポップアップショップをやった時は、自分がやっているラジオを聞いてくれた老夫婦が、活動に興味をもって来店してくれました。おばあちゃんが目の不自由な方で、おじいちゃんが手を引いて来てくれて。琉球ガラスを買って帰ってくれたんですよね。
LIBERTY FORCEは「好きなことに挑戦しよう」といういうメッセージを発信するためにつくったんですけど、ゆくゆくは物質的に若い人の応援になる仕組みをつくれないかなと思っています。
去年(2021年)の11月くらいかな、生理の貧困問題を解決するチャリティ団体「レッドボックス」の沖縄支部の代表に、僕ら夫婦がなりました。レッドボックスの箱にもLIBERTYFORCEのロゴが入ってて、応援してるよというメッセージをこめて。そういうことをラジオで話したことが幅広い層に伝わってるのかなって思ってます。

店主
タキロー

いろんな視点で見ているのが、すごいですよね。

健太郎さん

LIBERTYFORCEを始めた時に、僕が沖縄でこういうことを感じていることを、最初の1年くらいほとんど毎日、音楽、紅型、やちむん、琉球ガラス…。いろんなジャンルの人に、1対1で時間つくってもらって、話して。同じように感じている人がいたら、何かいっしょにつくって、その想いを形にしましょう、と。様々なジャンルのプロの方に「コラボしませんか」ってお願いする緊張感って半端ないですけどね。

店主
タキロー

身がまえられたりもする?

健太郎さん

妻にもメンタルが強いよねって言われるんです。どんなに振られても傷つかない。それよりもあこがれてるクリエイターと、なにかできた時のよろこびのほうが勝ってるから。いつか一緒にできるんだったら、何度でもアプローチしにいく。というのを毎日やってるから、すごいきついですよ。

店主
タキロー

「沖縄ってゆいまーる(助け合い)って言うけど、ゆいまーるじゃない」って前に話してましたよね。

健太郎さん

沖縄に帰ってきて思うのが、ある意味東京の方がゆいまーるだよなってこと。東京ではコラボレーションが頻繁。東京は手を取り合わないと生き残っていけないことがわかってるから、みんな理念とか思いとかを話し合って、一緒にやろうってことが起こりやすいんだと思うんですけど、沖縄は深く話してつながろうというのがあんまりない。コロナになって雰囲気がちょっと出てたけど。
工芸も、産業も、音楽も、アートも、ファッションも、全部がLIBERTY FORCEっていう理念を軸にしたイベントをやりたいんですよ。今はちっちゃく仲間を増やしているというか。

社会の隙間のひとつの居場所に、ストリートカルチャー。

店主
タキロー

実は僕もキャップをかぶるんです。

健太郎さん

違和感ないですよ。

店主
タキロー

僕、東京にいた時、HIPHOPの業界に関わっていたことがあるんです。スケボーをやってるメンバーがまわりにいたりして、街からは邪魔くさく見られてたり。ストリートの人たちと仕事をしてると、社会を斜めから見ている部分が強いと感じていました。勉強じゃなくて「これで生計を立てていくぞ」っていうムーブメントが身近にあったんですね。
いま、読谷村で暮らしていると、ストリートカルチャーが生活の一部みたいなニュアンスで、いいなと思える場面があるんです。ストリートカルチャーが、居場所のひとつとして、社会のなかで位置づけられることが重要なんじゃないかな。
健さんとコラボの話をした時に、ストリートカルチャーと接点を持つことをすぐ受け入れられるという肌感覚があったんです。もっとストリートシーンを応援したいなというのが僕の中にはあります。

健太郎さん

(新店舗では)券売機で、LIBERTY FORCEのグッズも買えるようになるんですよね。4種類でしたっけ?

店主
タキロー

券売機には35個のボタンがあって、その内メニューで使うのが10くらい(笑)。なので、もっとグッズを買えるようになるんじゃないかな。

健太郎さんとの対談を振り返って

LIBERTY FORCEの照屋健太郎さんは、金月そばの身体に優しく、健康を意識した食事、また沖縄そばの食材へのこだわりに共感してくれました。
若い人たちが健康であることはとても大切なこと、とも。
金月そばとして、コラボすることで未来を担う若者に「食べること」や沖縄で生産される農作物の大切さを伝えられたらと思いました。